2014年5月20日火曜日

棚田おさんぽ会で見えたこと

5月のecoleのイベントは 岡山県美作市上山にある棚田を風景に多くの移住者が集まって棚田再生活動を行っている上山集落に遊びに行きました。英田上山(あいだうえやま)にはみんなの力で再生された美しい棚田があります。




そして、その再生のために素敵な人達が集まっています。そのメンバーの一人でもある水柿大地さんが運営するいちょう庵にお邪魔させてもらいました。

いちょう庵は、もともと森の中に浸食されるように眠っていた民家をみんなの力で再生させたそうです。僕たちが立っているこの地もすべて自分たちで整備していったということを話をしてくださいました。周囲に住んでいるみんな一人一人が大切な仲間で、一人一人の持っている能力が活かされて、協力しあって生きている。そしてこの地には県外から移住して来られた方も多くおられるそうです。








そんないちょう庵の敷地には新しく建物が建設中でした。もちろんこれもセルフビルド!
一階が納屋で二階がイベントスペースになるとのこと。自分たちの生活を誰かに任せるのではなく、自分たちで築いていくというのは大変だけどとても充実しているんだろうなと感じました。








見渡す限りの風景に自分の手が加わっているというのは、なかなかできない体験だと思います。現代の一般的な生活では常に誰かに自分の生活を任せています。食べ物、住まい、休日の過ごし方。お金で様々なサービスを手に入れれますが、僕たちは、そうすることでたくさんのことを考えなくなっていきます。


消費をメインとした暮らし 





創造をメインとした暮らし






ecoleのコンセプトに置いている「岡山を学びの場とした創造的な場の提供」

消費とは「現在目に見えているものを使い続けること」

創造とは「現在目に見えていないものに形を与えること」


田舎というのは何もないという人がいますが、実はそれがとても大切なことだと考えています。
目に見えていないからこそ、形を作り出すことができます。それが創造性につながります。
実際に、子供たちは何もない場所でいろんな遊びを思いついていました。

















建設中の木材の端材で遊んだり、枝を拾ってお店屋さんごっこをしたり、ブランコをみんなで乗ったり。


今回は、ただおさんぽです。一見アートとは全く関係ないようにも見えます。
でも、「無いものがあるという環境」が私たちの頭の中に「創造性の余白」を生んでくれます。
まさに、このいちょう庵から見える風景は、上山集落に関わる皆さんの創造性溢れる作品で満ちあふれていました。







ecoleの活動は2014年度は以下の財団に助成をいただいてイベントを運営しています。


photo  木坂源太  text  花田洋通