2014年8月25日月曜日

8月のecoleのワークショップは先生向け?

ecoleは常に子どもに向けたワークショップをしてきました。

しかし8月のecoleのワークショップは、子どもではなく、幼稚園の先生に向けた

ワークショップを企画しました。









ワークショップの素材は、何度か実践経験がある 紙コップタワー。

子どもと同じように遊んだときに、どんな気づきがあるかを投げかけるようなワークショップ。

そして大人向けということもあり、音楽やアロマなど大人向けにアレンジしています。




まずはecole代表の2人から、挨拶。

参加者には紙コップを囲んで椅子に座ってもらいました。






「こんなにたくさんの紙コップを見たとき、子どもならどうするかな?3歳児だったら?5歳児

だったら?」

年齢によって行動パターンが違うので、先生達に子どもと素材のファーストインプレッションを

想像してもらいます。そして、両手で持てるだけ紙コップを持って、ワークショップ開始!






最初は、少し遠慮ぎみにちょっとずつ紙コップを積み重ねていきます。4000個も用意したのに

数100個くらいしか使っていない様子。やはり子どもと大人は違いますね。大人はなかなか自分

の殻を簡単には破れない。そこで、少しだけアシスト。






隣り同士の紙コップタワーをつないでいきます。すると少しずつお隣りさんとの接点が出てくるように

なり、会話もはずんできました。1人で完結していたものがグループワークになってきました。

作品が一体化してくると共同制作の意識が生まれてきます。






ピラミッド型でだんだんと高くなってくると、ちょっとしたバランスで「ガラガラ〜!!」

あっと言う間に崩れてしまいます。






そこで、すかさず質問!

「さあ、あなたは今どんな気持ち? みんなに注目してもらいたい?それともそっとしておいて

ほしい?あなたが子どもだったらどうでしょう?得意気にチャレンジしている時、みんな僕を見

て〜って思っているかな?それとも、失敗して崩れたからそっとしておいてほしいと思っている

かな?」







大きなアクションが起きたときこそ、先生は、その場の空気を読んですかさずアシストをいれない

といけません。先生は遊んでいる子どもたちの、立場になって感情の流れを理解しておくことが必要

なんですね。

そして、最後の仕上げの時間になってきました。ライトダウンをして、レアな12個の光る紙コップ

を用意。






その紙コップを好きなところに置いてライティングをしていきます。

さっきまでとは少し違った静かな雰囲気。






少しの間、自分たちが作った白の世界を堪能します。

そして、「みんな、この紙コップこれからどうしたい?」

ある先生が「みんなで紙コップの中に走って行きたい〜!」

ということで、みんなで一気に崩すよ〜!














大きな音をたてて、白い世界は紙コップの海になってしまいました。

絶妙なバランスで作られた紙コップタワー。アンバランスなものほど、壊したくなるのは子どもも大人

も一緒です。でもこれだけでは終わりません。






「みんなで、紙コップを重ねて行こう!1つの大きな輪にするよ〜!」

4000個もの紙コップを遊んだあと片付けるのはとても大変。ならば片付けも遊びにしてしまおう

という発想です。







数が数だけに重ねたらこんなに大きな輪になりました。

これはこれで1つのアートですね。






一通りワークショップを終えて、先生達との振り返りの時間。

子どもたちの心理を想像すること。遊び心をなくさないこと。

その一瞬、一瞬の中にどんな気づきが隠されているか?先生は子どもの気づきの瞬間を逃さない

ようにしないといけません。

そういった目を養うように、手法、考え方などをこのあとじっくりと話合いました。








ecoleとしては初めての先生に向けたワークショップでした。

アートの視点、保育の視点。

アートは子どもたちに環境を提供できます。

しかし子どもたちが遊びの中で学んでいくには保育の視点が必要です。



子どもたちの中で、いったい何が育っているのか?

そんなことに気づける大人が増えていくと楽しく子どもたちを見守れるのではないかと思います。






ecoleの活動は2014年度は以下の財団に助成をいただいてイベントを運営しています。


PHOTO  加藤晋平     TEXT  花田洋通    ワークショップ ファシリテーター 虫明淑子